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PIRGRIMAGE |
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秋がはじまった頃、10日間あまりポーランドに行ってきたんです。僕にとって初めての場所でした。ワルシャワ、クラクフ、ザコパネあたりを旅していたんですが、それぞれの街でそれぞれに深い感慨を抱きました。 |
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●再生されたワルシャワの旧市街 ワルシャワの街は第二次世界大戦でナチス・ドイツ軍に徹底的に破壊されたんです。歴史博物館でその壊滅状態の写真を見たのですが、ひどいものでした。それをワルシャワ市民は丹念に、しかもまっさきに再生していった。現在のワルシャワの旧市街はとても魅力的なんですが、実は戦後に復興されたものなんです。戦前の緻密な風景画や写真・図面を基礎資料にしてまるっきり同じようにつくりあげていった。
●中世の街クラクフ 古都クラクフにはずっと行ってみたかったんです。友人たちから「ポーランドに行ったらコラクフの古い街を見なければ」と言われていましたから。コラクフでは幸か不幸か、風邪を引きましてね、そのおかげで6日間滞在しました。だから中世から続いている街をくまなくゆっくり歩くことができたんです。スケッチもずいぶん描きましたし、彼らがどのように日々を楽しんでいるかということも観察できました。地下のレストランには小さな劇場がありましてね、そこで子供向けの芝居を見たりしていたんですが、楽しかったですね。ああいったスケール感と臨場感で観劇したことは久し振りだったんです。子供たちの笑顔を見ながら、ほんとうの豊かさについて考えさせられました。
●アウシュヴィッツへの旅 アウシュヴィッツ(オシフィエンチム)ではまずあの有名な「ARBEIT
MACHT
FREI(アルバイト・マハイ・フライ/働けば自由になる)」というゲートをくぐり、博物館になっている収容所を一棟一棟見学しました。人はそれほどいませんでしたが、バスツアーでやってきた何組かの団体観光客がいました。巨大なガラス室に収められた凄絶な遺品、ガス室や焼却炉を見るにつけ、言葉にできない無念な思いが走りました。人間が自ら生きることを奪われて死んでいく。戦争という事態がこういう結果を生むのだということも確認しました。
●ザコパネの田園風景 クラクフからバスでザコパネに行きました。ザコパネはスロヴァキアとの国境近くにある小さな高原の町ですが、この辺りには木造のかわいらしい教会が多いんです。ザコパネで改修中の教会を見たのですが、アントニン・レーモンドが設計した軽井沢の聖ポール教会(1934年)が僕の中で重なりました。レーモンドはチェコ出身の建築家ですからこの辺りとそう離れていないわけです。そういう風土が生んだ形というのか、土着的で野性味あふれ、しかも美しいプロポーションの木造教会が残っていて、少年レーモンドもきっと慣れ親しんでいたにちがいないと確信しましたね。 |
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