第一回座学
「風土と住まいのかたち」
神楽坂建築塾塾長 平良敬一 氏

 風土と住まいはどのように関わっているのでしょうか。今日はこのことについて話をしたいと思います。最近の住宅は様々な形をしていますから。

屋根
 最近の新築の住宅やビルを見ると切妻のような三角形の形をした屋根だけなく、陸屋根【ろくやね】といわれる平らな屋根も多く見られます。近代以前の民家や貴族の住む御殿、神社・仏閣の象徴的な屋根は威厳や威圧感を感じさせ、また宗教的な要素も含まれていました。日本の主な屋根は切妻や寄棟、入母屋などです。さらに神社・仏閣などで見られる棟と軒の中心部分の一部が盛り上がる「ムクリ」や、屋根の四隅が尖って、空に向いている「ソリ」といわれる屋根の装飾もあります。それが近代になると庶民はその威圧感から解放されたくなったのでしょうか。三角形の屋根がまちから消え、逆に陸屋根のような新しい屋根が増えていきました。当時はこれが気持ちの良いことだったのです。現代では三角形の屋根は懐かしく良いものとして再認識され始めています。……続く →講義録を申し込む

第二回