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十一月九日、快晴。アユミギャラリー企画部・高橋祐子さんの尽力にて、小江戸・川越スケッチ会開催。
川越のメインストリートを歩きつつ、ふと後ろを振り返ってみるとなんだか不思議な風景がひろがっていた。怖いようで懐かしい、広い広い空がそこにはあった。とにかく空の占める割合の広いことといったらない。浮世絵かなにかに出てくる町並みのようで、どどーんと富士山を描きたくなってしまう。とにかく高い建物が少ないのだ。空の重さを感じることのできる風景が、こんな都市の中に残っているのは素晴らしい。川越というと、すぐに蔵を思い浮かべるが、今回のスケッチ会をとおして、近代建築も多く残されていることを知った。どの建築も、それぞれ素晴らしかったが、高橋さんのお家がまた立派なのであった。もともとは織物の仲買商を営んでいたということで、明治十五年の築と聞いた。当時、とてもハイカラだったのではないかと思われるレンガ塀は、長い年月を経ていい味わいを出している。
鈴木先生が、そのスケッチ場所に選んだのが、この高橋邸。それぞれのスケッチを終えて集合場所である高橋邸にもどってみると先生は、最後の仕上げをしているところだった。背後よりそっとのぞきこんでみると、真っ青な空と、美しいレンガ塀の紅色が目にとびこんでくる。
「今日は、まず青空から描きたかった」という先生の言葉が印象的で、心の中に音が生まれる。先生の絵が仕上がった頃には、陽もすっかりかたむいて、もう青空はなくなっていた。スケッチブックの中に青色はとじこめられたのだ。
それぞれの風景をとじこめて持ち帰るスケッチブック。また青空の下でひろげたい。
高橋さん、本当にお疲れさまでした。
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