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十月に行われた馬宿シンポジウムに参加させていただいた。それは移築復原された実際の馬宿の中でイロリに火を入れてのユニークなものであった。イロリの煙でいぶされながら見た燠はとても印象的であった。その日はちょうどシベリア寒気団がやってきたとかいうことですこぶる寒く、どこからともなく風がかたかた入ってくるのだった。夕暮れどきの障子の映す光は、水の中のようでみな黒いシルエットになる。
たくさんの興味ある話を聞くことができたが、やはり鈴木先生の言葉には力があった。
「こうやって今、ここで話をしていると皆さんの座っている間々にこの馬宿をつくった棟梁や職人さんたち、ここでくらしてきた人々、そしてともに生きた馬たちまでがここにいるような気がするんです」
火を実際に焚いたということ、すきま風が冷たかったということ、そして馬宿にかかわった今は亡き人々と同じ時間を共有したこと。大切な思い出となった。
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