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夏の少しジメジメした晩は特に、一水寮への出入りは足下に気をつけた方が良い。玄関先の階段にカエルが鎮座していることが多々あるのだ。寮の前の私道には4〜5匹いることもある。さながらカエル天国だ。 カエルは、薬局の前で首をフリフリにこやかに客を迎え入れ、テレビでペチャンコになりながらもど根性を見せたりと、キャラクターとしての人気は上々だろう。しかし生き物としてのカエルはと言えば話は別だ。ネコがキャラクターとしても生き物としての共に人気者であるのに対し、生き物としてのカエルの人気はイマイチな気がする。いやイマイチどころか嫌われ者かも知れない。でもボクは手のひらについ乗せてしまうんだな〜、カエルを。 「カエルってヌルヌルってカンジで気持ち悪いっ」という意見をよく聞くがこれは違うのだ。少なくともヒキガエルの皮膚はザラザラしてるし、手のひらに置くとヒンヤリしてるし、意外とおとなしくしてるのがなかなか可愛い。もっともこういうことを言うと更に気持ち悪がられるのがオチだけど。寮周辺にいるのは全てヒキガエルであり、中にはかなりの大物もいる。ヒキガエルの寿命は30年位あるらしい。つまりボクよりも年長のカエルがいらっしゃるわけだ。けっして「キモチワルッ」なんて言ってはイケナイ。敬意を持って接しなくては。 先日玄関周辺に生い茂っている蔦並びに雑草の手入れをした。日当たりが良いせいかなんなのか、雑草がこんもりと生い茂り、蔦は2階の窓から寮内への侵入を試みるまでに生長していた。草の手入れが決まった時、ボクは即座にカエルのことが気になった。というのもこの草むらこそが彼らの住み家なのではとひそかに睨んでいたからだ。しかしそんなことばかりも言ってられない。なにせこの草刈りはご近所さんからの要望なのだ。 はたして寮長と共に一水寮玄関前草刈り作戦は開始された。蚊取り線香をモウモウと焚き蚊の攻撃に抗しつつ、実に大きなゴミ袋2袋以上の草を刈った。おかげで一水寮の玄関周りはすっきりしたのだが、作業中カエルに全然遇わなかった。どうやらボクの推測は間違っていたらしい。草刈り終了後、ボクの中にはカエルの住み家を荒らさずに済んだという安堵感と、少々の疑問がのこった。果たして彼らはどこから来てどこにカエルのだろう? アユミギャラリーニュース62号(2003年8月)に掲載 index ![]() |