[ 壊されてゆく風景と散らかった部屋 ]

6 長い回り道(タイ→ラオス→西双版納タイ族自治州)

 雲南省最南端の西双版納シーサンパンナタイ族自治州には、タイからラオスを経て陸路で入った。
 1998年12月、タイのチェンライ、チェンコーンと北上し、夕暮れの国境を小舟で渡った。久し振りに嗅いだラオスの空気に安堵する。
 以後、フェーサイ、パバーン、ウドンサイ、ルアンナムタ、ムオンシンの町や村に立ち寄り、メコン河と星空、土ぼこりとバンブーハウス、そしてソムタム(青いパパイヤのスパイシーサラダ)とラオビール(Beerlao)の素朴な日々を過していた。
 ようやく中国の国境の村モーハンに入って指折り数えてみると、ゆうに十日を越えていた。長い回り道をしながら、南詔王国や元に圧迫され、徐々にラオスやビルマに居住し生き延びてきたタイ族や少数民族の歴史を考えていた。
 モーハンからモンランまで二時間余りバスに乗る。車窓から見える集落は、堂々とした入母屋の高床式住居ばかりである。わくわくして思わず飛び降りてしまいたくなるような風景が続く。ここがシーサンパンナか。小羽板のような磚の屋根が連続して美しい。ベランダ付きの高床で集う家族、いったい内部はどうなっているんだろう。


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