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三浦海岸スケッチ旅行(第三期最終講座3月21日〜22日) |
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3月21日、13時、京浜急行三浦海岸駅に集合した一行は、駅前から剱崎行きのバスに乗り込んだ。バスは海岸沿いをゆっくり走り、15分程の丘の上にある剱崎バス停でバスを降り、宿泊先の「民宿山幸」へ向かった。早春の暖かな陽射しを受けながら、キャベツ畑と大根畑の広がるのどかな田園を歩くと、ずっと先には相模湾?が見え隠れしている。途中、足を止め写真を撮る者、今日のスケッチポイントは……、と考える者、今夜のためにと日本酒とおつまみを買う者等々、ゆったりとした時間が流れる。 |
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18時、大浦海岸に日が沈む。4月も間近とはいえ、朝晩はぐーんと冷える。寒さの中のスケッチを終えた塾生達を待っていたのは暖かな部屋と新鮮な海の料理!大広間へ移動し夕食となり、旅館のサービスのビール(山幸さん、謝謝!)で最初の乾杯。続いて熱燗が運ばれ、鯛の塩焼き、山菜と野菜、エビの天ぷら、茶わん蒸し、お刺し身、サザエ、ワカメご飯、豆腐のお味噌汁等々、所狭しと料理が並んでいる。そんな料理もあっという間に絵はがきにしてしまうのは“早描きのおジュン”こと魚谷純子。食べる前に手早く色をつけて、最後に「民宿山幸」の文字と電話番号等が書かれた割りばし袋をちぎって貼って、やっと料理に箸をつける。食べることと同じくらい描くことが好きな美術塾での恒例の風景である。 |
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19時頃、修了証書授与式が始まる。塾長より手渡される修了証書には、崖の上にそびえ立つ剱崎灯台と、その下に広がる静かな夕暮れの海が描かれていた。塾長直筆の証書は毎年このスケッチ会にて作成され、出来立てほやほやの状態で塾生一人一人に手渡される。中には突然の突風にさらわれて海へ落ちた証書もあったりして、ちょっとしょっぱい特別な一枚もよい記念となった。 |
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証書授与後、描いたばかりのスケッチの講評会となり、一人ずつ感想とともに絵を披露していく。スピードにのって2枚描いた人、広がる風景を描こうと画面を越え前頁の裏に渡って描いた田中丸純子、水面に映る船を高度な技術をもって描き上げた岡田光敏。お互いの作品を見ることもまた勉強となる。寒かったがなんとか描きあげた、気持ち良く描けた、磯溜まりの生物達と交流を深めるあまり時間が足りなくなった等々の感想がでた。その後はスケッチの話をしたり、ギター片手に歌ったりしながら夜は更けていく。就寝前、「明日の早朝、日の出をスケッチしに行こう!5時半起きだ!」とはりきるのは“仕事に恋に大わらわ”佐渡屋秀樹。朝食前にはまた新しい作品ができ上がるに違いない。 |
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3月22日、7時半。朝食前というのに塾生達の姿は宿になかった。薄曇りの空の下、どこかの風景に向かって絵筆を走らせているのだろう。8時朝食。ほとんどの塾生達は既に早朝スケッチを終えてお腹を空かせている様子。なんせスケッチを描くってのは気力と体力を使うものなのだ。それでも朝食をさっと描いて宿を出る。三崎口行きのバスまであと15分と迫っていた。バス停までダッシュする若手の塾生を横目に、ゆったりと宿の車に送ってもらう年配の塾長と塾生。なんとかバスに間に合い、本日の目的地、城ヶ島を目指す。北原白秋の「雨はふるふる城ヶ島〜」の詩でも有名な城ヶ島へは、乗り換えのバスに乗り遅れたせいもあって島と半島をつなぐ大橋を歩いて渡ることとなった。冷たい風が身にしみる。今日のスケッチは寒さとの戦いになるとみな感じている様子。城ヶ島灯台まで約1.2キロメートルを歩き、2時間のスケッチタイムとなった。 |
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2時間後。描き終えた順に梶ノ亭に集まり、昼食をとりながらの講評会となった。灯台や海、奇怪な岩が描かれたスケッチブックが、定食屋の座敷に敷き詰められる。風が強かったため、絵の中の草木も風に吹かれて、どの絵も寒そうな絵となっている。「海を描くのはむづかしい」という塾生の絵の横には、塾長の描いた海が4枚も並んでいたりする……。一泊2日という短期間ででき上がった絵は大きいものから葉書サイズのものまで数十枚におよび、締めくくりにお昼ご飯を描いて第3期の講座が終了した。 |
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◎塾生からの感想 |
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田中丸純子: |
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神楽坂美術塾が訪れた三浦海岸は神奈川県南部に位置し、横浜から1時間程しか離れていないにもかかわらず、田園と小さな漁港が穏やかに佇む地域で、素朴な田舎の美しさがあるように思われた。神楽坂美術塾では、こういった身近にある美しい風景を描くことが多い。じっくり対象物と向かい合い、塾生それぞれが感じた三浦海岸を描き出す。上手に描くかどうかよりも、その日その場所は寒かったのか暑かったのか、風は強かったのか、陽射しは……等々、その場所の記憶を絵の中に閉じこめてしまおうというスタンスで描くことを教える塾である |
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◎写真提供 魚谷幸子さん |